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栄養不足の身体への負担は大きく、特に子どもへの影響は計り知れません。世界の子どもの4人に1人は、必要な栄養を摂れず心身の能力を十分発揮できない「発育阻害」の状態です。およそ5,200万人の子どもたちが、身長に対して痩せすぎ(衰弱)で、このうち多くは、病気や、深刻な食料不足による急激な体重減少が原因です。

栄養不足の治療には、質量ともに十分な食べ物をとり、全身の健康と健全な環境を確保することが重要です。このため国連WFPは、保健衛生や水資源、農業および社会的保護など幅広い分野の団体と共同で支援に当たっています。
我々は食料に軸足を定め、弱い立場の人々が、栄養価が高く、年齢に応じた食事を確保できるよう活動しています。特に子どもたちが、母親の胎内に宿ってから2歳の誕生日を迎えるまで、最初の1,000日間の支援に力を入れています。

国連WFPは急性および慢性の栄養不良について、治療・予防のプログラムを策定します。また各国政府との政策対話を通じて、長期的な食料・栄養の安全保障問題の解決に貢献しています。

栄養不良の予防
急性栄養不良は治療だけでなく、予防も重要です。子どもたちが栄養不良の苦しみを経験せずにすむことが理由の一つですが、もう一つは子どもが長い間適切な食事を取らないと、身体と脳の発達に致命的な影響が及び、発育阻害になりかねないためです。国連WFPは、たとえ短期間であっても栄養状態を悪化させないことと、慢性の栄養不良を長引かせないことを目的に活動しています。

不作や自然災害などで一時的に食料が足りない時、国連WFPは栄養補助プログラムで、栄養強化食品などを提供します。栄養強化食品は、栄養強化成分を配合したおかゆや調理済ですぐに食べられる食品などで、通常は幼児や妊産婦、HIV患者など、弱い立場に置かれた人々に提供されます。

また予防の一環として、他の支援機関と共同で栄養に関する教育・啓発活動を行い、子どもの食習慣を改善し、健康と衛生状態を保つよう促しています。人々にこうした意識を持ってもらうことで、支援の効果が長続きします。また慢性的な栄養不良を減らし、発育阻害を防ぐ活動の一環として、栄養不良の根底にある原因も分析しています。

急性栄養不良の治療
急性の栄養不良は子どもにとって特に危険で、死亡リスクは最大で通常の9倍にもなります。社会的にダメージの大きい事象が起き、危機が長引いた場合に、急性栄養不良にかかる率は高まる傾向があります。一方で弱い立場の人々の多くは、緊急時に限らず不作の年などにも急性栄養不良に陥ります。

急性栄養不良には費用対効果の高い治療方法もありますが、各国政府は支援を必要とする子ども全員には治療を提供できない場合があります。

国連WFPは、中程度の急性栄養不良(MAM)の治療を支援しています。各集落で乳幼児や母親を中心に、栄養強化食品を提供し、低栄養からの回復に必要なカロリーと栄養素を確保します。また、ビタミンAの補給に虫下しを併せて処方するなど、他の組織による健康関連の支援と、国連WFPの栄養強化プログラムを組み合わせることもあります。

UNICEFは国連WFPとの共同支援計画のもとで、重度の急性栄養不良(SAM)の子どもの治療に当たっています。国連WFPはUNICEFと緊密に連携し、急性栄養不良が重度の子どもと中程度の子どもとの治療がうまくつながるよう活動しています。

微量栄養素欠乏症に対する取り組み
微量栄養素欠乏症の大部分は目に見えませんが、世界の20億人に重大な影響を与えています。開発途上国では、亜鉛、鉄分、ビタミンA の欠乏症はいまだに死因の上位10位内に含まれています。国連WFPは、様々な方法でこれらの欠乏症を治療しています。

例えば、微量栄養素を配合したふりかけ状の栄養強化食品を配布し、家庭で食事に加えることで、栄養素を摂取できるようにしています。国連WFPが直接配る場合も、地元の市場や集落の保健プログラムで提供する場合もあります。
ビタミンAを加えた野菜油や鉄分を加えた米など、栄養素を強化した主食や調味料を配給することもあります。国連WFPと民間団体は政府とともに、栄養強化の認知や拡大のために活動しています。

人々が栄養のある食品を入手する環境が整っている場合は、啓蒙活動によってより多様な食材を摂るよう促します。しかし穀物主体で肉や乳製品が少なく、幼児が必要な栄養素を満たせないケースもしばしば見られます。
 

1億5,900万人
発育阻害に陥っている5歳未満の子ども
1,000日
妊娠から2 歳の誕生日まで。その後の心身の成長を大きく左右する
300~400万人
国連WFPが1年間で栄養強化プログラムを提供している妊産婦