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国連WFPは過去10年間で、食料配布に加えて現金等での支援を拡大してきました。2017年の現金支援の額は13億米ドルと、前年の8億8000万米ドルから急増し、支援金額全体の30%を占めるまでになりました。
市場がきちんと機能し、地元の環境が整っている場合、現金支援はとても有効な手法です。飢餓をなくすという2030年までの持続可能な開発目標(SDGs)達成の近道ともなりえます。現金支援は、支援にかかるコストを下げ、受け取る人数を最大化できるためです。

現金支援は最も迅速に、人々のニーズ全般に対応できる支援手法の一つです。これによって国連WFPは現金を食料へ、食料を現金へとより素早く替えられるようになり、支援に柔軟性とスピードが加わりました。どの手法を選ぶかは、各地域の事情によって異なります。形態はさまざまで、紙幣や銀行への送金、さらにカードや携帯端末のような、先端技術を使った食料引換券もあります。国連WFPは技術革新の最前線で、新たな支援手法を開発し続けています。ヨルダンにあるアズラック難民キャンプでは、シリア難民に対して、仮想通貨に使われるブロックチェーン技術を活用した現金支給を試験的に始めました。

現金支援のメリットは多岐にわたります。適切な状況で実施されれば、支援の受け手は食べるものを自分で決めることで自信を取り戻し、食材は多様になり、栄養状態も改善します。人々が食料を手に入れやすくなり、食べ物を買うために家財を売り払うといった行動も避けることができるようになります。

さらに現金支援は、受け入れ先の経済に対する相乗効果も見込めます。人々が避難先で地元の食材を買えるようになれば市場は潤い、小規模農家の生産意欲も高まります。その結果、危機の最中であっても、国の対応能力は強化されます。最近の研究によると、難民や弱い立場の人1人に対して1米ドルの現金支援を実施すると、地元への経済効果は2米ドルに膨らみます。2012~16年に、国連WPFはシリア緊急支援の一環として、トルコ、レバノン、イラク、ヨルダン、エジプト、シリアでおよそ20億米ドル分の現金支援を行いました。

現金支援は幅広い社会福祉とセーフティーネットをカバーすることができます。特に、社会福祉のシステムが存在しない、あるいは手薄な国では、国連WFPの現金が福祉システムの構築と強化に役立ちます。エクアドルで2016年に地震が起きた際の緊急支援では、国連WFPの現金が国家的なセーフティネットの強化に大きく貢献しました。
 

1,430万人
2016年に現金等による食料支援を受けた人
13億米ドル
2017年に国連WFPが支給した現金
30%
国連WFPの食料支援に占める現金の割合