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世界の数多くの子どもたちが毎日空腹のまま学校に通い、そのため授業に集中できずにいます。畑仕事や家事を手伝うため、学校に通うことすらできない子どもたちも大勢います。

学校給食があれば、こうした子どもたちの栄養状態や健康が改善されるだけでなく、出席率や成績向上にもつながります。給食は、家庭が子どもを毎日学校に通わせる強いきっかけにもなります。

国連WFPは2019年、59カ国の1,730万人に学校給食を提供しました。さらに65カ国3,900万人の子どもたちが、国連WFPの支援を受けて国の事業として実施されている学校給食の提供を受けています。究極の目標は各国が独自で学校給食を実施できるようにすることで、過去60年間で国連WFPが支援してきた100カ国以上の国うち、1990年以降に支援を終了し、独自で学校給食を実施している国の数は44にのぼります。

給食の内容は朝食もしくは昼食、または両方の提供とさまざまです。完全な食事もあれば、ドライフルーツバーのような栄養価の高い軽食や、高カロリーの栄養強化ビスケットを配る場合もあります。また、親に子どもの登校を促すため、持ち帰り用の現金や食料を配布することもあります。

食材は可能な限り現地で調達されます。46カ国で現地の小規模農家とつながっており、栄養状態と教育への恩恵に加えて、地域経済へもプラスの影響を与えています。また地域社会と協力して給食を提供することは、その国の教育制度に対する信頼感を高め、市民が助け合う社会を作り出す一助となっています。チュニジアでは、2,500 校24万人の子どもたちが国の学校給食支援の対象となっており、地元の若者を調理員として雇うことで当事者意識を育てています。

学校給食は、児童労働に従事させられた子ども、HIV/エイズを患い命の危険にさらされている子どもなど、特定の集団を狙って効果を及ぼすことができます。また女の子に対して、早婚や妊娠を防ぎ、教育を通して給料の良い仕事に就くよう助けることもできます。マラウイでは政府と国連WFP、国連児童基金(UNICEF)、国連人口基金(UNFPA)が共同で、さまざまな文化的な障壁を打破して女の子たちを学校に通わせようとしています。

非常事態の間も、学校給食があれば子どもたちを教室に呼び戻し、必要な栄養を摂取させることができます。エジプト、ヨルダン、レバノンでは、シリア難民の子どもたちが学校給食によって栄養状態を改善し、勉強を続けています。給食は彼ら自身の未来、ひいては地域の将来に対する投資なのです。